現行制度は、平成19年度に「港湾の施設の技術上の基準」に導入された性能設計の普及を図る目的で制定され、現在95名の「設計士」が誕生しております。今後さらなる性能設計の普及を進め、また設計成果品の品質を確保するためには、熟練技術者の本資格の取得と合わせて、若手技術者(20代後半から30代前半)を育成する必要があると考えます。折しも平成24年に有志による設計士会(村田進会長:現在会員数42人)が発足し、一般財団法人沿岸技術研究センターと共同で若手技術者向けの研修会開催などの活動が行われています。
今回の改定では設計士資格の取得の前段階で海洋・港湾構造物に関する実務経験3年間(大卒の場合)のみで受験できる、 『海洋・港湾構造物設計士補』(以下、設計士補という)を新たに導入します。
『「設計士補」とは、“基本的な知識・技能力” 及び“一定の経験等”を有し、設計士となるのに必要な知識・技能と管理力を修習するため、海洋・港湾構造物に関する建設、改良及び維持における設計、並びに設計に関わる調査、研究、開発の業務について設計士を補助する者』を言います。
設計士補試験においては、書類による受験資格審査、択一試験を通じて、受験者を総合的に評価し、設計士補としての適格性を認定します。
(1)“基本的な知識・技能力”とは、海洋・港湾構造物に関する建設、改良及び維持における設計、並びに設計に関わる調査、研究及び開発に関する基本的な知識、技能力です。
(2)“一定の経験等”とは、ある一定期間の海洋・港湾構造物に関する業務経験及び技術者の遵守すべき倫理を有していることを言います。
なお、設計士補に登録された方は、設計士会主催の研修会などへの優先参加や設計士相当の技術者の下で業務を行うことによって、設計士受験資格要件である実務経験年数が短縮できます。 |