CDITニュース

平成26年10月21日
海洋・港湾構造物設計士制度の一部改定について
 

 本制度は、一般財団法人沿岸技術研究センターが平成22年度に制定し、これまで多くの技術者が本制度に基づく「海洋・港湾構造物設計士」(以下、設計士という)を取得し資格登録をしております。また、本資格は、国土交通省発注業務における技術者資格要件となっています。今回、制定5年目の節目を迎えるにあたり、本制度のさらなる充実と発展を目指して以下の点について改定します。本制度に対してこれまで以上の関係者のご理解とご支援をお願いします。

■若手技術者を対象とした『海洋・港湾構造物設計士補』制度を平成27年度より導入します。

 現行制度は、平成19年度に「港湾の施設の技術上の基準」に導入された性能設計の普及を図る目的で制定され、現在95名の「設計士」が誕生しております。今後さらなる性能設計の普及を進め、また設計成果品の品質を確保するためには、熟練技術者の本資格の取得と合わせて、若手技術者(20代後半から30代前半)を育成する必要があると考えます。折しも平成24年に有志による設計士会(村田進会長:現在会員数42人)が発足し、一般財団法人沿岸技術研究センターと共同で若手技術者向けの研修会開催などの活動が行われています。

 今回の改定では設計士資格の取得の前段階で海洋・港湾構造物に関する実務経験3年間(大卒の場合)のみで受験できる、 『海洋・港湾構造物設計士補』(以下、設計士補という)を新たに導入します。

 『「設計士補」とは、“基本的な知識・技能力” 及び“一定の経験等”を有し、設計士となるのに必要な知識・技能と管理力を修習するため、海洋・港湾構造物に関する建設、改良及び維持における設計、並びに設計に関わる調査、研究、開発の業務について設計士を補助する者』を言います。


設計士補試験においては、書類による受験資格審査、択一試験を通じて、受験者を総合的に評価し、設計士補としての適格性を認定します。
(1)“基本的な知識・技能力”とは、海洋・港湾構造物に関する建設、改良及び維持における設計、並びに設計に関わる調査、研究及び開発に関する基本的な知識、技能力です。
(2)“一定の経験等”とは、ある一定期間の海洋・港湾構造物に関する業務経験及び技術者の遵守すべき倫理を有していることを言います。

  なお、設計士補に登録された方は、設計士会主催の研修会などへの優先参加や設計士相当の技術者の下で業務を行うことによって、設計士受験資格要件である実務経験年数が短縮できます。


■設計士補制度導入に伴い設計士試験の内容・受験資格要件を改定します。

@これまでの一次試験(基礎・専門)、二次試験(面接)に代わって、以下に示す試験を行います。
設計士補試験(択一式) 従来の一次試験〔基礎:択一式〕の出題分野に関する試験に技術者倫理に関する試験を追加。
設計士筆記試験(記述式) 従来の一次試験〔専門:択一式〕の出題分野に関する記述式試験
設計士面接試験(面接) 従来の二次試験〔面接〕の試験内容に相当する面接
※1)設計士補試験に合格された方は設計士補となる資格を有することになります。
※2)上記3つの試験すべてに合格された方は設計士となる資格を有することになります。

A「設計士補試験」及び「設計士試験」の受験資格要件は、以下の通りです
  • 「設計士補試験」の受験資格要件は、海洋・港湾構造物に関する実務経験年数(大卒の場合)3年間とします。設計実務経験は問いません。(従来の一次試験受験資格要件は、実務経験年数(大卒の場合)7年間、かつ、設計実務経験年数(同)3年間
  • 「設計士補試験」合格者は、登録後、「設計士」相当の技術者の下で設計実務経験を2年間"積むことにより、設計士筆記試験の受験資格を得ることができます。
  • 設計士試験」の受験資格要件は、設計士補の資格をお持ちでない方は、これまで通り海洋・港湾構造物に関する実務経験年数(大卒の場合)7年間、かつ、設計の実務経験年数(同)3年間が必要です。本要件を満たす方は、「設計士補試験」及び「設計士筆記試験」を同日に受験できます。
上記の改定により、これまで設計士資格取得には最低7年間の海洋・港湾構造物に関する実務経験(3年間の設計実務経験を含む)が必須でしたが、最短で5年間の海洋・港湾構造物に関する実務経験(2年間の設計実務経験を含む)で「設計士」資格取得が可能となります。詳しくは、今年11月に提示する「受験案内」をお待ちください。

■資格取得までのスケジュール(平成27年度予定)

平成26年11月 受験案内の広告
平成27年 4月中旬〜5月中旬 設計士補試験、設計士筆記試験受験申込期間
平成27年7月上旬 設計士補試験、設計士筆記試験(同日の午前午後実施)
平成27年9月上旬 同上、合格発表
平成27年10月下旬 設計士補資格者証交付
平成27年11月上旬 設計士面接試験
平成28年2月上旬 同上、合格発表
平成28年3月下旬 設計士資格者証交付
(問い合わせ先メール)


Copyright(c)2014 Coastal Development Institute of Technology. All right Reserved.