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平成30年10月4日
台風21号によって大阪湾で発生した異常波浪の推算(再現計算)
 

 9月4日午後、台風21号は大阪湾西部をかすめるように近畿地方を縦断しました。
 関西国際空港では最大風速46.5m/s(最大瞬間風速58.1m/s)、 神戸空港でも最大風速34.6m/s(最大瞬間風速45.3m/s)という暴風が吹き荒れ、紀伊水道や大阪湾を顕著な高潮・高波が襲ったため、近畿地方では甚大な被害が発生しました。
 これらの暴風や高潮・高波の影響で、関西国際空港の滑走路が浸水したほか、既往最大に匹敵する高波浪によって兵庫県や大阪府の護岸が多数の場所で被災し、大きな爪痕が残りました。
 当センターでは、この台風21号による高波の発生状況を最新の波浪推算モデルによって再現しましたので、報告致します。
 図−1は大阪湾で最も波高が高まった9月4日14時の波浪平面分布図です。湾内の風浪に加えて、友ケ島水道から高いうねりが進入している様子がわかります。


図−1  波浪平面分布図(2018年9月4日14時)
 図−2は神戸港における推算値の時系列図ですが、波高のピーク値として4.81mの高波浪が再現されました。図−3は須磨における波浪の方向スペクトル図ですが、湾内で発生した風浪と友ヶ島水道から進入したうねりの2つの波浪エネルギーピークが見られます。

図−2   実測値による推算値の検証(神戸港)

図−3   方向スペクトル図(須磨)
本推算の波浪モデル
  WAVEWATCHV(V5.16)+SWAN
本推算の風場条件
  NCEP(Final Analysis)+
    毎時大気解析GPV
 


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