港湾の旅客施設に係わるバリアフリーについて
Barrier-Free Facilities for Passenger Vessel in Port

真壁知大*・田中修**

** MAKABE,Tomoo and TANAKA,Osamu

* (財)沿岸開発技術研究センター 調査部 研究員
** (財)沿岸開発技術研究センター 企画部 主任研究員


The present paper describes the research works to propose the standard design criteria for barrier-free passenger wharf facilities in ports. The issues peculiar to passenger wharf in typical ports are investigated. Based on the investigations for the existing barrier-free wharf facilities, standard design criteria are proposed.
Key Words : barrier-free, pier, floating pier, boarding gate, boarding bridge, trap


概 要
 我が国では,高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進するため,「高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(以下「交通バリアフリー法」という)が平成12年11月15日に施行された.
  同法において,公共交通事業者等は,旅客施設を新設し,もしくは旅客施設について主務省令で定める大改良を行うときまたは車両などを新たにその事業の用に供するときは,該当する旅客施設または車両等を移動円滑化のために必要な構造および設備に関する主務省令で定める基準(以下「移動円滑化基準」という)への適合を義務づけられているほか,既存の旅客施設,船舶等についても努力義務が課せられている.
 このような背景のもと,交通エコロジー・モビリティ財団が事務局となって設置している「公共交通ターミナルにおける高齢者・身体障害者等の移動円滑化ガイドライン検討委員会」において,全般的な交通バリアフリーのガイドライン(以下,「全体版ガイドライン」という)の検討が進められている.
 港湾の旅客施設は鉄道駅,バスターミナル等と共通する施設もあるものの,地域によっては潮の干満や波による動揺等の自然条件の影響を大きく受ける桟橋・岸壁やその付属施設,ボーディングブリッジおよびタラップなどの特有の施設があること,また,その利用形態においては,通勤・通学や物資の運送に利用される生活航路,観光地への移動や船旅を楽しむ観光航路など様々であり,全体版ガイドラインでは取扱いにくいものがある.
  (財)沿岸開発技術研究センターでは,国土交通省港湾局環境・技術課から本件に関する調査業務の委託を受け,港湾旅客施設のバリアフリー施設の現状調査を実施し,対象となる施設を設計もしくは運用等を行う上での参考資料とすべく,各施設のバリアフリー化の標準のとりまとめを行った.その中で港湾旅客施設特有の問題点について検討を行った結果を報告する.


(1) 段差を有するタラップ

(2) 段差を解消したタラップ

(3)階段を有する大型タラップ


掲載論文集:沿岸センター研究論文集No.1(2001)・発行年月日2001.8



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