CDITニュース



令和5年3月31日
一般財団法人 沿岸技術研究センター
一般社団法人 海洋調査協会
「洋上風力発電設備に係る海底地盤の調査及び評価の手引き」の発刊について


概要

 我が国では2050年にカーボン・ニュートラルの実現を目指すことが宣言され、それを受け洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会から発表された洋上風力産業ビジョンでは、2030年までに10GW、2040年までに30〜45GWの洋上風力発電設備の導入目標が掲げられています。英国は2018年に8GWと世界トップの洋上風力発電設備の累積導入量を達成し、2020年に掲げられた英国政府の2030年の導入目標は40GWとなっています。一方、我が国の洋上風力発電設備の累積導入量は2021年時点で0.1GWとなっており、今後短い期間に洋上風力発電設備の導入を促進していくことが求められています。
 一般財団法人 沿岸技術研究センター(理事長 宮撫ヒ一)では、2020年より国の代行事業として、民間事業者により設置される洋上風力発電設備に係る技術基準適合性の確認審査を行ってきました。これは洋上風力発電設備(そのうち基礎、下部構造、タワーから構成される下部工が対象)が、港湾法に基づく技術基準に適合して設計されているかを確認するもので、確認されたものについてはその証明書として確認証を発行しています。確認審査上構造物の安定性に深く関わる重要な一項目として、洋上風力発電設備を設置する海域の地盤条件の評価があります。
 また、一般社団法人 海洋調査協会(会長 川嶋康宏)は、海洋調査事業を営む企業の力を結集して、海洋立国のための社会的要請に応えるための活動を行っており、洋上風力発電の導入促進に向けた海底地盤調査の一翼を担うなど、海洋調査技術の進展・高度化にも取り組んでおります。
 この度、沿岸技術研究センターと海洋調査協会は、洋上風力発電設備に係る海底地盤の調査及び評価をより効率的に実施し、安全で経済的な設計が可能となることを目指して、学識経験者から構成される「洋上風力発電設備に係る海底地盤調査技術検討委員会(委員長 菊池喜昭 東京理科大学教授)」のご指導の下、「洋上風力発電設備に係る海底地盤の調査及び評価の手引き」を作成し、発刊することとなりました。
 本書は、全4章から構成されており、広大で海象条件の厳しい洋上海域での調査に関して、新たな調査技術の提示を行うとともに、海底地盤の物性、層構造を明らかにするべく、調査計画の策定方法、調査方法、調査結果の取り纏め方について纏めたものです。
 本内容にあまりなじみのない方から、実務経験を有する地盤調査技術者の方まで、洋上風力発電事業に携わられる方々に本書を手に取って頂き広くご活用頂くことを期待しています。

添付資料1:本書の目次
添付資料2:検討委員会委員名簿
添付資料3:洋上風力発電設備に係る海底地盤調査・設計の全体像(参考例)


入手方法

以下リンク先の書籍販売のウェブページからご購入下さい。


問い合わせ先
(一財)沿岸技術研究センター
洋上風力研究室 福永勇介(研究主幹)
03-6257-3701






Copyright(c)2023 Coastal Development Institute of Technology. All right Reserved.