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特別講演会「海域環境改善技術の開発」を開催しました

2026年07月07日お知らせ

特別講演会「海域環境改善技術の開発」を開催しました

2026年7月6日、東京・AP新橋にて、沿岸技術研究センター主催の特別講演会「海域環境改善技術の開発」を開催しました。講師は当センター参与の春日井康夫氏が務め、港湾関係者を中心に100名を超える皆さまにご参加いただきました。

本講演では、港湾整備に伴う浚渫土砂の有効活用と海域環境改善技術について、名古屋港、博多港、中山水道及び関門航路における実例を交えながら紹介された。

近年、コンテナ船やバルク船の大型化が進み、港湾・航路では計画的な浚渫が不可欠となっている。一方で、浚渫により発生する土砂の処分先の確保は大きな課題となっており、新たな処分場の整備が困難な地域では、浚渫土砂を活用した干潟や浅場の造成が有効な選択肢となることが示された。しかし、このような事業は社会的なコンセンサスを得ることが容易ではなく、事業推進に当たっては環境面・社会面の双方への配慮が重要であることが説明された。

また、干潟は大型下水処理場にも匹敵する高い水質浄化機能を有しており、その造成・維持には気象条件や地形条件など、さまざまな自然条件を考慮する必要があることが紹介された。覆砂事業によってアサリが生息する環境が回復した事例や、中山水道の航路浚渫で発生した土砂を活用して造成干潟を整備した事例も紹介された一方、人工的な干潟の造成は決して容易ではないことが説明された。その理由として、浚渫土砂は発生場所によって粒径や性質が異なるため、干潟の勾配や形状、覆砂工法などの設計条件を個別に検討する必要があること、さらに、生物が定着しやすい場の環境を確保することが重要であることが挙げられた。加えて、アマモ場の造成やアサリ資源の回復についても触れられ、近年のアサリ減少は環境条件の変化や食害など複数の要因が影響していることが紹介された。

講演の最後には、港湾整備や埋立事業と海域環境の保全・再生を両立させることは容易ではなく、画一的な手法では対応できないことが強調された。今後は、それぞれの海域特性を踏まえた技術の適用と、環境改善を継続的かつ総合的に進めていくことの重要性が示された。

講演後は活発な質疑応答が行われ、参加者の皆さまからは今後の干潟環境問題に対する高い関心が伺えました。

沿岸技術研究センターでは、今後も港湾・沿岸分野における最新の技術や知見を広く発信し、海域環境の保全と港湾整備の調和に資する技術の普及と発展に貢献してまいります。

(文責:菊池)

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