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20××年8月16日 くもりのち晴れ
 今日は、マルチポート国際会議場で行われる「アイランド国際会議」におじいちゃんが出席する日。おじいちゃんが働くネオサザンアイランド島のことを、世界のみなさんに知ってもらうために発表するんだって。大丈夫?おじいちゃん。
 おじいちゃんの話によると、もともとネオサザンアイランドが出来たのは、最近テレビのニュースでも話題になっていた「地球の温暖化」に関係しているらしいのです。というのも、温暖化によって海面が高くなる危険があるので、それを防ぐために東南アジアの国々では、マングローブの林で出来た人工島やサンゴ礁で囲まれた人工島をつくっているんだって。
 会議の中でおじいちゃんは、ネオサザンアイランドのすばらしい自然やそこでの暮らしぶりについて、目をキラキラさせながら発表していました。最初はなかなか植林事業が進まなかったけれど、ようやく少しずつマングローブの林やサンゴ礁が広がってきたこと。それによって、周りの海にも鳥や魚たちが増えたり、島の農業や漁業にも良い影響を与え出したこと。
 ちょっと難しい話もあったけど、おじいちゃんがすごくいっしょうけんめいだってことが伝わって、ジーンとしてしまいました。やっぱり、マリンのおじいちゃんはすごい人だったんだ!


 また、最近では海の深い深いところの冷たい海水を吸い上げて、海面の温かい水との温度差で電気を起こすという海洋温度差発電所の建設も始まったそうです。これはお父さんもすごく興味を持っていて、すごく熱心に聞いていました。
 そこでくみあげた水は「深層水」といいミネラルがたっぷり入っているので、人間の健康にも良いし、魚の赤ちゃんの成育にもすごく良いお水なんだそうです。そういえば、お姉ちゃんのお化粧品にも、深層水なんとかって書いてあったなあ。
 ネオサザンアイランドでは、その深層水を利用した海洋牧場もあるそうです。そこには魚や貝を赤ちゃんから育てるプールがあって、マリンの大好きなイルカさんやお魚ロボットが、異常がないか海中を見守っていんだって。すごーい!プールといっても、ほとんど自然の海の状態を保つようにしているので、ここで育った貝や魚たちはとっても元気で美味しいんだよ!
 マリンも、ネオサザンアイランドに行きたくなってきたよ。おじいちゃんにそう言ったら、マリンがご飯をたくさん食べて大きくなったら、一緒に連れて行ってくれると約束してくれました。
 早く大きくなって、ネオサザンアイランドにイルカを見に行きたいなあ。お魚ロボットにも乗ってみたいし、おじいちゃんのつくったマングローブの林でお散歩もしたい。そうそう、さんご礁の林にも行かなくちゃ。そのためには、ダイビングも覚えなくちゃね。




 
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