人工島未来日記とは 表紙へ 前ページへ


20××年8月25日 晴れ
 今日は、お母さんと一緒に、リサイクルアイランドに住む叔母さんの家に行くことになりました。リサイクルアイランドへは海底トンネルが通っているので、ソーラーカーでも簡単に行けるのです。
 リサイクルアイランドは、エコアイランドより小さいけれど、緑でいっぱいの島です。でも、お母さんや叔母さんたちが小さかった頃は、ぜんぜん緑なんてない汚いゴミの島だったんだって。うっそー!それってホントなの?だって今、マリンの目にうつるのは、真っ白な砂浜や森や風にそよぐたくさんのかわいい花たちなんだよ。
 リサイクルアイランドは、人間たちが出したゴミが、地球に残された大切な海や川や山を汚してしまわないように、海の真ん中にゴミを閉じ込めてしまった島なんだって。そのとじこめたゴミの島に、新しく木や草や動物たちが人々と仲良く暮らせるようになったのは、なんだか不思議だけど、少しホッとしました。
 リサイクルアイランドの叔母さんの家は海のそばにあって、直接、家から海に遊びに行けるようになっています。だから、叔母さん一家はみんな泳ぎもダイビングもとても上手くて、夏になるといつもマリンはいとこのお兄ちゃんに水泳を教えてもらうんだよ。この島は、ゴミが外の海に流れ出ないように、護岸に工夫がされているので海がとってもきれいで気持ち良いんだあ。


 それから、叔母さんの家の裏には小さな畑があります。叔母さんは、出たゴミを堆肥にして、お花をつくったり野菜をつくったりしています。生ゴミからつくった堆肥でつくった野菜はとても美味しいので、お母さんはよく分けてもらいに来るのです。
 叔母さんの話で一番ビックリしたのは、リサイクルアイランドではゴミが全く出ないということです。リサイクルアイランドで出たゴミは、全てリサイクルされて、また使えるような商品になったり、砂や土や堆肥になって、畑にしたり、人工の砂浜をつくって、貝や魚を養殖したりもしてるんだって。マリンたちが学校で使っている鉛筆やノート、机なんかも、全てこの島で作られるリサイクル商品なんだよ。
 だから、リサイクルアイランドの北側には、ゴミの再処理工場というのがたくさんあって、叔父さんはそこで働いています。
 だけど、いくらゴミをよみがえらせるといっても、どんなゴミでもまた使えるようになるわけじゃないから、もともとリサイクルアイランドでは、リサイクルできる商品しか使わないようにしているんだって。えらいなあ。私は、飲んだ牛乳ビンを近所のお店に返すぐらいしかしていないよ。
 今日は、ちょっぴり反省してしまったマリンでした。




 
人工島未来日記とは 表紙へ 前ページへ


Copyright(c)2001 Coastal Development Institute of Technology. All right Reserved.