2025年7月15日、東京・AP新橋にて、沿岸技術研究センター主催の特別講演会「技術開発と人材育成」を開催しました。講師は当センター参与の菊池喜昭氏が務め、港湾関係者を中心に約100名の皆さまにご参加いただきました。
講演では、技術開発において「思ったとおりの結果」が出ることは、かえってリスクを見落とす危険性があるという視点が示されました。阪神・淡路大震災や東日本大震災の復興支援に携わった経験をもとに、現場での技術開発がいかに困難であったか、またその中で得た教訓が語られました。
技術開発そのものが技術者を育てる重要な手段であるとし、単に新しい技術を追求するのではなく、実務に直結する技術を追求することの重要性を強調しました。また、技術者の育成においては理論だけでなく、実践的な経験を通じて成長させることが不可欠であり、社会のニーズに応えられる人材こそが今求められていると述べました。
さらに、社会や技術の変化に対応するには、新しい発想と柔軟な姿勢をもつ技術者の育成が必要であり、技術開発に関わること自体が新たな人材を生み出す力になると語られました。最後に、これからの時代には、同じような技術者を再生産するのではなく、変化に応じて進化し続ける人材の育成が重要だという強いメッセージが伝えられました。
講演後は活発な質疑応答が行われ、参加者の皆さまからは今後の技術者育成に対する高い関心が伺えました。
沿岸技術研究センターは、今後も技術開発とそれを支える人材育成に取り組み、社会に貢献してまいります。