プログラム普及など

地盤解析汎用プログラム(GeoFem) 2021年版

運輸省港湾技術研究所(現:国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 港湾空港技術研究所)で開発された地盤解析汎用プログラム(「GeoFem 2021年版:ジオエフイーエム」)は、地盤の静力学的挙動を統一的に表現した力学構成モデル(弾塑性モデル、弾・粘塑性モデル)が組み込まれており、圧密現象を考慮した二次元及び三次元の地盤の変形とその安定を同時に精度よく解析することが可能なプログラムです。地盤と構造物が複雑に構成される場合などの、透水、圧密、地盤内応力、せん断、土圧、斜面安定、さらには極限状態の支持力など、これまで困難であった地盤の複雑な力学的挙動を精度よく解析できるのが特徴です。

その有効性は、超軟弱な羽田空港沖合展開埋立地の地盤改良や掘削工事の解析・施工管理、 500haを超える関西国際空港の埋立 造成地の沈下予測・解析など、我が国を代表するビッグプロジェクトの設計・施工で実証されています。

東日本大震災では、多くの港湾施設が被災しました。特にケーソン式防波堤では、津波による港内外での水位差により、ケーソンに作用する波力に加えて、マウンド内に浸透力が発生し、マウンド本来の支持力が低下することが考えられます。そのためGeoFemでは浸透流解析から支持力解析までを一貫して行えるように、機能を追加しました。これにより、マウンド内の浸透力がマウンドの支持力に及ぼす影響を解析的に評価することが可能となります。

また、粘性土地盤における変位予測の精度向上のため、粘性土モデルの改良を行なっています。

今般、当研究センターを通じまして広く一般へ公開する運びとなりましたので、是非ご活用いただければと思っております。

GeoFem2021年版のお問い合わせ及びご購入は下記の宛て先まで

一般財団法人 沿岸技術研究センター
〒105-0003 東京都港区西新橋1丁目14番2号 新橋エス・ワイビル5階 GeoFem担当者
TEL:03-6257-3701/FAX:03-6257-3707
E-mail:

製品紹介

これまで困難であった地盤の複雑な力学的挙動を精度良く解析

地盤の静力学的挙動を統一的に表現した力学構成モデル(弾塑性モデル、弾・粘塑性モデル)を組み込んでいます。 そのため、圧密現象を考慮した2次元及び3次元の地盤の変形とその安定性を同時に精度良く 解析することができます。地盤と構造物 が複雑に構成される場合などの、透水、圧密、地盤内 応力、せん断、土圧、斜面安定、支持力の各問題を精度良く解析する場合に有効です。

ビッグプロジェクトに活用され高い評価

超軟弱地盤な羽田空港沖合展開埋立地の地盤改良工事や 掘削工事の解析・施工管理、500haを超える関西国際空港の埋立造成地の 沈下予測 ・解析などわが国を代表するビックプロジェクトの設計・施工に活用されています。

有限要素法の入門書としても最適

マニュアルは豊富な例題と入力定数値に関する資料などを わかりやすくまとめてあるため、有限要素法の入門書としてもご活用いただけます。

マニュアル及びプログラム ¥220,000-(税込、送料込)
旧バージョンを購入済みの方はプログラムのみ ¥110,000-(税込、送料込)

●マニュアルの内容

  1. まえがき
  2. 有限要素法による地盤解析における力学モデル
    2-1 解析用地盤モデルの概要
    2-2 弾性体
    2-3 弾塑性体
    2-4 弾・粘塑性体
    2-5 構成式の定式化
    2-6 入力定数値について
  3. プログラムの特徴と利用法
    3-1 プログラムの特徴
    3-2 計算の流れ
    3-3 データ作成の準備
    3-4 入力データの作成法
    3-5 プログラムの実行法
    3-6 出力結果の見方
    3-7 動作環境
  4. 入力データの作成例
    4-1 鉛直載荷および水平載荷
    4-2 盛土(瞬時載荷・段階載荷)
    4-3 掘削(法面掘削・山留掘削)
    4-4 掘削(陸上掘削・土水圧考慮)
    4-5 安全率(地盤の安定性)
    4-6 支持力
    4-7 一次元圧密
    4-8 ケーソン護岸
    4-9 三次元解析
  5. 参考文献集

機能説明/動作環境

GeoFem2021年版の機能について

<浸透流解析>
浸透流解析に関しては、ダルシー則に基づく定常流浸透流解析により港内外の水位差によりマウンド内(メッシュの各要素)に発生する浸透力を算出します。支持力解析では、この浸透力を負荷させます。
※ポストプログラムは、GeoFemにはありません。

<支持力解析>
支持力解析に関しては、要素モデルを線形弾性体および弾塑性体(モール・クーロン)として、ケーソンに水位差に基づく水平波力、揚圧力などを作用させながら、その水位差でのマウンド内の浸透力を負荷させて解析を行い、港内外の水位差による極限水平力を算出します。
※ポストプログラムは、GeoFemにはありません。

<粘性土モデルの追加> ※2021年版で追加
粘性土地盤における変位の予測精度を向上させるため、粘性土モデルに偏軸楕円形型関口・太田モデルを追加しました。

GeoFem2021年版の動作環境

CPU Intel Core i3シリーズ以上または、それらと互換性のあるCPU(推奨)
メモリー 4GB以上
OS Microsoft® Windows 7以降(※OS64bit版のみ)

*以上記載されている製品名は、各社の商標及び登録商標です。

留意事項

GeoFem2021年版公開に際しての留意事項

この公開では、運輸省 港湾技術研究所で開発されたプログラムをなるべく広く多数の方へ提供したいと考えております。このため、低廉な価格を設定させて戴きましたが、サービスレベルはやむを得ず必要最小限とし、次のような対応とさせて戴きます。

  • 使用方法やトラブルに対する問い合わせ対応は致しません。
  • バグが無いように気をつけておりますが、バグがあった場合でもバグ対応はいたしません。
  • 本プログラムを用いて得られた計算結果のすべてについて使用者が責任を持って下さい。
  • プログラムの著作権は国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所(旧運輸省港湾技術研究所)にあり、「GeoFem2021年版」を使用して得られた結果を論文などの形で公表する場合は、下記の論文(小林、1984)を参考文献として記載してください。また、浸透流・支持力解析機能を用いた場合、下記の論文(高橋ら、2015)も併せて参考文献として記載してください。

■参考文献
小林正樹:有限要素法による地盤の安定解析、港湾技術研究所報告、Vol. 23, No. 1, pp. 83-102, 1984.
高橋英紀、佐々真志、森川嘉之、渡部要一、高野大樹:津波に対するケーソン式防波堤マウンドと腹付工の安定性、港湾空港技術研究所報告、Vol. 54, No. 2, pp. 21-50, 2015.

購入申込

GeoFem2021年版購入申込書

「GeoFem2021年版」をご購入される場合、 申込書を印刷し必ずFAX:03-6257-3707にてご返送下さい。下記項目については、必ずご記入下さい。今後のご連絡はご記入いただいたご担当者様宛に行なわさせていただきます。なお、マニュアル及びプログラム並びに請求書については、随時発送致します。

旧バージョン購入済みの場合 110,000円(税込)となります。
お申込の際、備考欄 ”旧バージョン購入済み” と記載してください。